今日たまたまコンビニで手に取った週刊AERA(07.2.26)に、
「0円生活の方法」という、興味を引く見出しが載っていた。
ページをめくって文面や写真に軽く目を通してみたら、なんだかとても良い感触を感じて、
普段なら立ち読みで済ませてしまうところ、今日は購入して家に持ち帰ってしまった。
【0円生活の方法】〜大切なことが全部学べる隅田川の青い家暮らし〜
「ホームレス」と呼ばれる人々がいる。
彼らの建てる家を「0円ハウス」ととらえ、
建築という視点から観察し、写真集も出した若者が、
鈴木さんという「0円暮らし」のプロと出会った。
缶拾いの極意は営業に、インフラの調達は未来の住宅に、
示唆に富んだ日々を報告する。
〜「AERA」本文より引用(文と写真 坂口恭平さん)
家に帰り着くと、早速記事を読んでみたのだが、
その詩的で暖かみのある文面と、生活感溢れる素朴な写真に、心がジ〜ンと温かくなった。
隅田川沿岸にブルーシートと木材で作った0円ハウス。
そこに住むご年配の鈴木さんと、みっちゃん、二人の生活に密着し、
その写真も織り交ぜながら、話は臨場感たっぷりに展開していく。
若き筆者の目を通して語られる二人の姿や、生活スタイルは、
ある意味したたかで賢く、自然体で無理の無い生き方だった。
「何が豊で、何が足りないのだろう。鈴木さんたちは何も不満がないと言った。欲しいものも何もないと言った。」
筆者が言った言葉に、自分自身の生活を振り返り、深く考えずにはいられなかった。
とても昔に読んで、感銘を受けた「経済人類学への招待―ヒトはどう生きてきたか (ちくま新書)」という本にも、これに似た興味深い話が書かれていたことを思い出す。
それには、豊かさの物差しを貨幣的な価値基準ではなく《時間》というものさしを使って考えてみる。というもので、自由な自分の時間をどれほど持っているかが、豊かさを測る良い尺度だと書いてあった。
そして生存のための必要悪的なコストとしての労働時間は、この自由時間をなりたたせるための手段にすぎないのだから、できるだけ短い方が良いと。
例としてアフリカや、オーストラリア原住民(アボリジニ)などの興味深いレポートが続く。
端的に言うと、彼らは短い労働時間で生きているが、豊かな生活(金銭的な贅沢とは別の自由で豊かな時間)を送っているというモノだった。生きるに必要なだけ労働したらそこで止めて、あとは昼寝したり、友人と会話したり、子供と遊んだり、自由な時間を、時には仲間と共有しながら過ごすのだ。対して現代人は、幸せになろうとひたすら労働時間を費やした結果、むしろ大切な時間をムダに浪費していると。
そうして生み出された生産物が、本当に必要なモノかどうかも分からないままに大量に溢れかえっている。
「一般に豊かな国の指標としてGNP(国民総生産)が用いられるが、それは貨幣的支出だけの集計にすぎない。
そこにはごまかしがあって、価格換算できない無償の活動(家事労働や老人の世話、ボランティアなど)や、
自由財(きれいな空気や水とか生存に欠かせない富)は含まれず、逆に公害、病気、災害など、
人間にとってマイナスの現象が増えると、それが市場回路をとおる限りGNPを増大させる、という奇妙な仕組みになっている。」
「経済人類学への招待―ヒトはどう生きてきたか」より要約
実は昨年出版された名著「富の未来」(アルビン・トフラー著)にも似た内容があって少しゾッとした。この本が出版されたのは1994年なのだから、結構古いのだけど、この時代にあって改めて感じ入るものがある。
- 作者: A.トフラー,H.トフラー,山岡洋一
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そう元アメリカ副大統領のアル・ゴアさんが、
最近環境問題を扱った「不都合な真実」という著書(映画も)を出して注目されています。
そろそろ本気で生き方を改めないといけないターニングポイントにさしかかっているのかもと思う今日この頃。
今年の東京は、冬だというのにとても暖かい。いまだ雪も見ていないし…
今更だけど、正直ブッシュさんよりも、ゴアさんに大統領選勝って欲しかったな…
それにしても何の心配もせずに、ぐっすり眠りにつき、朝、気持ちよく目覚めていられたのは、いつの頃のことだろう。最近とても時間が無いように感じる。本当に豊かな生き方が何なのか、改めて考えなおしてみようかな…なんて。